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【ジョジョ】クロースアップ・クローズアップ

ジョジョ2部からシーザー×ジョセフ。
とはいえまだ双方自覚すらしてない未満オブ未満。
スージーQも居ます。











【クロースアップ・クローズアップ】

タネも仕掛けもございませ~ん」

ジョセフの左手から右手へ、まるで滝のようにトランプが流れていく。
観客であるスージーQは目を輝かせながらそれを眺めており、その隣でシーザーは頬杖をついていた。
たった2人だけの観客にジョセフはマスク後しにニヤニヤと笑みを浮かべた。

「じゃあまずテキトーに1枚引いてちょうだい」

シャッフルされたデッキをスージーQに差し出す。
彼女は指先を迷わせながら中心より少し下からカードを引き抜いた。

「俺には見えないように絵柄を確認してねー」

そう言ってジョセフは目を瞑って後ろを向いた。
別にここまでしなくても見えないのだが、多少大仰にした方が舞台映えする、気がする。
まぁなんとなくだ。 その場のノリだ。

「見たわよ!」

スージーQの声を受けて振り返ると同時に、シーザーのつまらなさそうな瞳と目が合った。
トランプの絵柄を一緒に確認したのかも怪しいくらい。
そんなにつまらないなら帰れば良いのに、と一瞬思うも、観客が少ないとこっちがつまらないな、と思い直す。
驚く人間は多い方が楽しい。
そういう訳で、とりあえずシーザーへの苦言は置いといてステージを続けていく。

「んで、そのカードを戻して欲しいわけなんだけど……シーザー!」
「なんだ?」
「ハンカチーフ、貸してくんね?」

ハンカチをデッキを持った手の上から被せ、カードを戻すその瞬間までジョセフが確認する機会を無くす。
そう説明すると、渋々ながらシーザーはハンカチを取り出して手渡した。
何の飾りっ気もない真っ白なそれからは薄っすら石鹸の香りがする。
その香りが鼻を擽る中、宣言通り自分の右手へハンカチを被せた。
その隙間からスージーQがカードを戻す。

「ハイ、ちゃっちゃとシャッフル~」

ハンカチを取り去るや否や、目にも止まらぬスピードでカードを切る。
その手さばきに、スージーQはおろかシーザーの口からも感嘆の声が漏れた。
ちょっぴり優越感に浸りながら、ジョセフはしっかり混ぜたデッキをテーブルの上にそっと置く。

「さーて、スージーQの選んだカードは……」

するりと手をスライドさせるとカードが扇状に広がった。
当たり前ながら同じ裏面が並ぶ中、1枚だけ逆の面が向いているのが見てとれる。
ジョセフが指でそのカードを押し上げると、

「このカード、だろ?」

ハートのAが印字されていた。

「正解! すごーい、どうやったの? もう1回見せて!」
「んー残念! 手品ってのは同じネタを見せたらダメなのよん」

きゃっきゃっとはしゃぐスージーQを軽口であしらいながらカードを回収する。
こう楽しんで貰えるのは悪くない。
自分を中心として笑ってもらえて、故に自分を見てくれるのは、意外と寂しがりなジョセフにとっては楽しくて仕方が無い事だった。

「えー、お願い!」
「ダメダメ!」
「……簡単なトリックだな、騒ぐ事のモンじゃあねーな」

瞬間、カチンときた。
スージーQとのじゃれ合いを中断して腹ただしい声の方を睨みつける。
そこにはやはりつまらなさそうにアクビを噛み殺すシーザーが頬杖をついていた。

「へ~え、言ってくれるねシーザーちゃん。 だったらその簡単なトリックとやらを解説してもらいましょーか?」

口にしてから『なんかこのセリフ、ミステリーの犯人の悪足掻きみたいで縁起悪ぃな』と後悔する。
そしてその予感は的中するのであった。

「ハンカチーフを被せた瞬間、器用にカードの山を反転させたんだろ? その状態でカードを戻したのなら、一枚だけ逆になる訳だ。 そしてすぐカードの向きを戻してシャッフルする。 まあ、いくら混ぜても向きは変わらないんだから、スージーQが選んだカードは見分けが付く……って所だな」

なあJOJO? とシーザーは今日一番の楽しそうな笑顔で大仰に肩を竦めてみせた。
QED(証明終了)とでも言いたげな名探偵様に対し、惨めな犯人はカードを机に放り投げて乱暴に椅子に腰を下ろす。

「マジックの種明かしはルール違反だぜシーザー!」
「お前が『解説してみろ』とか言って煽ったんだろーがスカタン!」
「にゃに~っ!」
「でも凄いわシーザー! どうして分かったの?」

あわや一触即発という空気感をまるで気にせず、スージーQは純粋に疑問を口にした。
シーザーは即座に対女性モードに切り替わり、ジョセフから視線を逸らしてスージーQに体ごと向き直る。
相手がいなくなったジョセフもまた投げやりに足をブラブラさせ、唇を尖らせながらシーザーのスケコマシ発言を待つ。

「簡単な事さ、普段からJOJOを観察していれば多少の違和感にも気がつける。 今回もハンカチーフの中の手の微妙な動きが目についただけの事さ」

さらりと口から漏れたセリフに顔を赤らめたのはジョセフの方だった。
それに気づいたシーザーは「どうした?」と再度視線を投げかける。
何か言おうにもジョセフの口はパクパクと無意味に開閉を繰り返すだけで言葉が出ない。
そんなレアな状態のジョセフを見て首を傾げるシーザーの隣でスージーQが小さく笑った。

「やだ、シーザー。今の告白みたいよ」
「こ、告白!?」
「だっていつも見てるんでしょ、JOJOの事」

そんなのまるで恋じゃない、とスージーQは口元を手で隠しながら無邪気に笑っている。
予期せぬ意図を突きつけられたシーザーは椅子から転げ落ちんばかりの勢いで立ち上がり、力いっぱいテーブルを叩いた。
風圧でカードが微かに動く。

「そんなつもりはないからな!」
「わぁーってるよ!!」

分かっているのは本当なのに顔の熱が上がるのを止められない。
ジョセフは右手で顔を覆いながらシーザー達に背を向けた。
背もたれに胸を押し付ける形で体重を預ける。

(コイツ、ずっと俺を見てたって事は否定しねーでやんの!)

胸の奥から込み上げる妙に浮かれた気分を押し殺しながらジョセフは、背後のスージーQの笑い声とシーザーの焦って上ずる弁明を聞いていた。



*****

意外と寂しがりだというジョセフが手品をやる理由は、人に注目されたいからではないかと思ってます。
そしてなんやかんや兄気質で世話焼きなシーザーに萌える。
公式で「寂しそうな女性は放っておけない」と書かれてますしね。
そんな萌えが合体したのがこちらになります。
あとスージーQ可愛い。 ていうかこの3人組可愛い。
やったなシーザー、両手に花だぞ。(真顔)

クロースアップ/観客の至近距離で披露する手品の意。テーブルマジック。
クローズアップ/対象を大写しにする撮影技法。転じて、注目する事も指す。
字はどちらも『closeup』で読み方としては後者が正しいのですが、手品の技法としては前者が使われている気がしたので組み合わせてみました。

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