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【真ゲIF連載】世界の最後に君と/終章

『もしも竜馬が時空を飛び越えなかったら』という設定で書く空白の13年間(の一部)。
本編の自己解釈や妄想も多々含みますのでご注意下さい。
かなり長々(ダラダラ)やってきた連載もこれにて完結です。












【終章:ワールド(ハッピー)エンドレス】

「……あぁ本当だ……大きな声を出すな、響くだろう。 あぁ……あぁ、分かった。 心配無いとは思うが気をつけて帰投しろ。 ではな」

そして隼人は司令室のパネルを操作し、通信を切った。
別動隊として動いていた『彼』ももうすぐ帰還するようだ。
戦果は聴くまでもないだろう。
なんせ『彼』が直々にチューンナップしたゲッター——通称『ブラックゲッター』を駆っているのだから。
あの当時自分が使用したゲッターに今『彼』が乗っているというのはなかなか嬉しい物であり、同時に寂しい物でもある。
黒い塗装が施された理由も「あれは3人揃っての色だから」だとかなんとか。
しかしこの道を選んだ事に後悔は無い。 後悔はしないと決めた。
それが『彼』と共に未来を歩んで行く自分への重しだ。

「司令。 例の日本軍兵士らの着艦が完了しました」

凛とした声で秘書のヤマザキが告げる。
彼女との付き合いも長いものになった。
思えば彼女が居なければ、きっと自分は生きてすらいないのかもしれない。
本当に感謝してもしきれない、過ぎたる秘書である。

「分かった、司令室に通してくれ」

そう指示を出すとヤマザキは恭しく礼をし、手元のインカムでおそらく格納庫の者に言伝を伝えた。
日本軍兵士——隼人の予想が正しければ少なからず見知った顔が居るであろう。
そして真ゲッターロボ。
やはり無事だったか、と隼人は自分の仮説が立証された事実を内心で噛み締める。
そして目の前に現れた真ドラゴン。
ならばきっと早乙女博士も——。

「……いよいよ、か」

重陽子ミサイルの爆発から13年。
ようやく事は動き出そうとしていた。


「隼人……!」

13年ぶりに会うかつての仲間は歳を喰っていた。
自分もそうなのだから当たり前である。
とはいえ面影はあるし、本質も変わってはいない。
隼人は万感の意を込めて彼の名を呼んだ。
「弁慶」と。

「一体人類はどうなっちまったんだ!? それに、何でお前がここに居る!? 頼む、教えてくれ!」

当然とも言える疑問を弁慶は問うて来た。
その後ろには日本軍の軍服を来た男達と一人の女性が居る。
隼人は女性の姿に見覚えがあった。
いや、正確には『彼女の持つ面影』に見覚えがあった。
弁慶の問いに答えた後にでもその既視感を確実にする為、隼人が口を開きかけた時、

「おい隼人ー! 弁慶の奴等どこにもいねぇじゃねぇか!」

開け放したままのドアの彼方から自分達を呼ぶ声が響いて来た。
軍服に身を包んだ者達が一斉に背後を振り向く。
特に弁慶は流石に思い当たる節があった様で、驚きを隠せない様子であった。
まるで幽霊にでも遭遇したかのような落ち着きの無さが見える。
隼人も視線を少し上げると、自分にとっては見慣れたボロボロのコートとマフラーをたなびかせる姿が飛び込んで来た。

「ここに居たのかよ、久しぶりだな弁慶! 老けたなー、てめぇも」

その男は弁慶の姿を見るやいなや、ニイッと笑みを浮かべた。
13年前と違い、顔に付いた傷が僅かに歪む。
もう1つあの頃と違うのは、髪の長さ。
短髪であった髪はすっかり伸びて、首の後ろの辺りで簡素に束ねられている。
「切る手間も時間も惜しい」と彼が言ったのはどのくらい前だっただろうか。

「な、な……っ」
「あ? ンだよ、俺の事忘れた訳じゃねぇだろうな」
「そんな訳があるか! どうしてお前が『ここ』に居るんだよ!!」

その言葉は先程隼人に対して問われた物とほぼ同じだった。
だが、意味合いが少し異なる。
弁慶が訊きたいのは、何故彼が隼人と行動を共にしているのか、なのだろう。
無理もない。 弁慶の記憶は2人が仲違いしている時までだ。
現在に至るまでの長く、そして遠回りだった道のりも説明しなければならないな、と隼人は思う。
それもまた一興だ。
限りある時間ではあるが、余裕がない訳でも無い。
だから、とりあえず隼人は弁慶に肩を組んで絡んでいる愛しい人に声をかけた。
不器用に少しだけ微笑んで。

「おかえり、竜馬」
「おう。 ただいま、隼人」

そう言って、すっかり歳を取った流竜馬は神隼人に微笑んでみせた。


《了》
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