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【ワートリ】Receive And Slash You

ワートリより迅×太刀川。 もしくは太刀川×迅。
お互いと戦うのが好きで好きで仕方が無い物騒な話。













【Receive And Slash You】

一閃。
その煌めきを認識する間もなく迅の首は胴体から離れていた。
活動限界のアナウンスが入り、ベイルアウトして生身の肉体がクッションの上に落ちる。

「あ〜くっそ! 視えてたのになぁ」

まるで子供の様に足をばたつかせて悔しさを露にしてみせる。
あそこで太刀川が一気に踏み込んでくるのは分かっていた。
しかし理解出来る事=対応出来る事だとは限らない。
ほんの少し反応が遅れただけでこのザマだ。
迅は天井を睨みつけながら考える。

「受けたとしてもスコーピオンごと叩き斬られただろうしな……あそこは距離を取るのが正解だったか」

あぁくそ! と握った拳の甲でクッションを殴る。
本日の成績は30戦中13勝15敗2引き分け。
ここを取っていれば総合的に引き分けに出来たはずだっただけに悔しさは大きい。
ばたつかせていた足を大きく上にあげ、振り下ろす勢いを利用して起き上がる。
その勢いに任せたまま迅は備え付けのPCに近寄っていった。
一歩ずつ歩を進める度に背筋が粟立ち、指先が震える。
ドクドクと脈打つ鼓動が先程までの興奮を引き摺っていると主張していた。

「太刀川さん、まだ時間ある?」

体が温まりきった状態でもう少し手合わせしておきたい、という理由を聞かれても無いのに続ける。
悔しさだけの我が儘だとは思われたく無かった。
もっとも、向こうは気付いているのかもしれないけれど。

「太刀川さん?」

返事が無い。 おかしい。
迅がベイルアウトした以上あちらも仮想戦闘ルームからは出てきているはずだ。
終わるにしろ、少し休憩を入れるにしろ、一声くらいかけていくのが常である。

「ちょっと太刀川さん? 居るの?」

この時間すら惜しい。
燻る熱を冷まさせたく無い焦りから、迅は声に苛立ちを含ませていた。
普段の迅を知る者達からしたら「珍しい」という感想が出る事だろう。
あまり接点の無い者達なら「迅さんでもそういう顔するんだ」と驚くかもしれない。
実際、迅自身“らしくない”という事は心の片隅で分かっている。
それでも今は呼びかけ続けたかった。

「たちか、」

名字を呼び切る寸前に肩を引かれた。
前屈みになっていた所を引っ張られた迅の体は後方へ大きく揺らぎ、床に尻餅をつくハメになる。
迅の虚を衝いてみせた犯人は、さらにその上に跨がってきた。
腰の辺りを陣取られては上手く動けない。

「…………迅」

犯人こと、太刀川慶は抑揚の無い声色でそう呟いた。
格子状の瞳が前髪で隠れてしまっていて感情も読み取れない。
しばらくの間静寂が空間内を支配する。
呆然とされるがままになっていた迅は、ゆっくりと状況を把握して口を開いた。

「……一体全体どうしたの」

その声はどうも上手く出なかった。
驚きを隠せなかったとか、恐怖を覚えただとか、そういう類いの話ではない。
物理的に喉を動かしにくい状況下に置かれてしまっている。
太刀川の起動前のトリガーが喉元に突きつけられているからだ。
もしもこれがトリオン体で、トリガーが起動していたなら、迅の喉は弧月によって貫かれている事だろう。

「迅、おまえ、俺を“殺したい”って思った事、あるか?」

物騒な言葉と共にトリガーに力を込められる。
喉仏を押し込まれる痛みに迅は顔を歪め、小さく呻く。
酷く落ち着いた雰囲気とは裏腹に、太刀川の手は小刻みにカタカタと震えていた。
まるで、少し前の自分のように。

「俺は、ある」

前髪の隙間から鋭い眼光が覗く。
それは先程まで仮想空間内で見ていた顔つきによく似ていた。
現実に持ち込まれた非現実感が痛みと共に伝わってくる。
うるさく響く鼓動の音は果たしてどちらのモノなのだろう。

「トリオン体でおまえと斬り合う度に、俺は楽しくって仕方が無い。 俺がおまえを殺す度に、おまえが俺を殺す度に、どうしようもないぐらい興奮するんだ」

ニィッ、と太刀川の口元が凶悪に吊り上がった。

「もしも、おまえと生身で殺り合えたら……すげぇ楽しいんじゃねぇかな」

フハッと笑みを漏らしながらそんな事を言う彼の姿は、『狂気じみている』としか言いようが無い。
そもそも三門市から一歩出れば自分達がやっている事は異常だ。
その異常よりもさらに先の異常に足を踏み込もうとしている男が目の前に居る。

「なぁ……迅、おまえは、どうなんだよ」

剣呑な目付きのまま、しかし心底楽しそうに笑いながら太刀川が言う。
その頬を汗が伝い、重力に沿って迅の服へ落ちた。
相変わらずトリガーは喉元に突きつけられている。

「……おかしいよ、太刀川さん」

声が震えた。

「おれと、一緒だ」

そして歓喜に頬が緩む。
迅の右手に握られた起動前のトリガーは、太刀川の左首筋に当てられていた。
もしもこれがトリオン体で、トリガーが起動していたなら、スコーピオンによってその首筋は切り裂かれている事だろう。
その状況を理解したのか、太刀川の表情が恍惚に火照る。
似通った表情を浮かべ、迅は心の奥底から沸き上がる言葉をゆっくり形にして行く。

「殺すのも、殺されるのも、楽しくて気持ち良い……だから何度だって思った事あるよ、“殺したい”ってね」

もしも本当に命のやり取りをする機会に巡り合ったなら、きっと何の躊躇いも無く殺し合う事になるのだろう。
想像しただけでくらくらとした目眩に襲われた。
太刀川の顔が一瞬、ほんの一瞬だけ霞む。

「……視えるか?」
「何を?」
「俺とおまえが生身で殺し合う未来」

その問いに、迅は露骨に眉尻を下げ、やんわりと首を横に振った。
どの選択肢の中にもそんな光景を視た覚えは無い。
だからこそこんな現実味の無い狂った願望が生まれてしまうのだろうか。

「そうか……じゃあ、またすぐに模擬戦しようぜ」
「太刀川さんブース出てきちゃったんだから、また部屋取らないと」
「あっ」

自分のミスに気が付いた太刀川の顔から笑顔が消え、焦りが見て取れた。
同時に狂気も消える。
「しょーがないなぁ」と苦笑する迅の表情もまた同じだ。

「空いてる部屋探してみるわ。 見つけたら連絡する」
「分かった、待ってるよ」

喉元に突きつけていたトリガーを引き、太刀川は迅の体の上からどいた。
そして迅が体を起こすよりも早く、そそくさとブースを後にしようとする。
後ろ姿の先に未来が視えた。

「ねぇ、太刀川さん」
「なんだ?」
「次はおれが勝つよ」
「馬鹿言え、勝つのは俺だ」

言葉を口にする度、耳に届く度、迅の体が興奮に打ち震える。
全身全霊で「戦いたい」と叫んでいるように思えた。
それはきっと太刀川も同じハズだ。

「心臓を突き刺してあげる」
「体を八つ裂きにしてやる」

その宣戦布告は、どこか甘さを孕んでいた。





*****

SKLに影響されすぎですよね、分かってる分かってる。(笑)
決して憎い訳ではないのだけれど、根底にあるのは常に『殺意』であったら萌える。 私得。
絶対殺す事もないんですけどね。
しっかし、私は本当悪人面が好きですね。
この病気はきっと治らない奴。 私のサイドエフェクトが(ry。

タイトルは龍如5の真島の兄さん戦のBGMタイトル。
意訳としては【貴方を受け入れて、そして切り裂きます】って感じでしょうかね?
以前に似たタイトルを隼竜で使いましたね。 単純である;;

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